消費税のそもそも論について講義してきました
11月10日の話になりますが、都青協のサクセション企画の分科会の一つで、消費税の講義をしてきました。
今の若者は、消費税がない時を知らない、消費税のそもそも論について話して欲しい、
という依頼でした。
最近は、軽減税率やインボイスの問題点をお話しする機会が多かったのですが、
消費税のどこか問題なのか、改めて深く勉強するよい機会となりました。
当日は、「消費税のウソ?ホント?〜日本国憲法から考えてみよう〜」をテーマに
1時間お話しさせていただきました。
「消費税は社会保障のために使われているのか?」
「日本の法人税は高い?」
「努力が足りないから正社員になれない?」
などなど、消費税の仕組みの関係からお話しさせていただきました。
具体的には、日本経済新聞web版に対する反論がメインです。
消費税 図解カイセツ
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/sales-tax-analysis/
なかなか巧妙に作られていて、消費税増税について
ミスリードするためのwebサイトと言っていいでしょう。
たとえば、最初に
「1世帯当たりの年間消費税負担額」
「年収に占める消費税負担割合」
の二つの図表が掲載されていますが、
コメントは、「消費税負担額」のみになっています。
年収高い人のほうが負担額が増えるから、消費税はいいんじゃないか、と捉えられる典型的な手法です。
あんまりこんなことを言いたくありませんが、こざかしいですね。
その他、よくあるかなり乱暴な数字で「消費税増税はしょうがない」という結論へと誘導しています。
日本の税金のシステムは、課税と使途が切りはなされています。
税金の使い道までちゃんとチェックしないと、本当に今の税収でまかなえないのか理解できません。
しかし、日本の使途は、税法学的には「予算法」という形で一括で採択されてしまいます。
無駄な税金の使途ってたくさんあると思いますけどね。
改めて、消費税のそもそも論について、消費税はあって当たり前ではなくて、
別の道もあるんだ、税金の使い方も大きく見直す必要があるんだ、
ということを専門家の立場から伝えていかなくてはいけないと思いました。